ワンピース「エルバフ編」ストーリーまとめ (~第1165話)【ワンピース考察】

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ワンピース「エルバフ編」ストーリーまとめ (~第1165話)

目次

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はじめに

長年『ONE PIECE』を読んでいない方に向けて、現在連載中のエルバフ編のストーリー要点をまとめます。エルバフ編は最終章の二つ目の物語で、舞台は巨人族の国エルバフです。物語はエッグヘッド編から続いており、科学者Dr.ベガパンクとの出会いと世界政府の襲撃事件(エッグヘッド事件)の直後から始まります。麦わらの一味は辛くもエッグヘッドから脱出し、その際ベガパンクのクローン体(リリス)やバーソロミュー・くま、ボニーらを伴い、巨人族の聖地エルバフへ向かうことになりました 。エルバフにはかつてオハラの学者たちの残した貴重な資料が保管されているとされ、ロビンが真実を求めて訪れたいと願っていた場所でもあります。また世界情勢も大きく動いており、Dr.ベガパンクは世界に向けてある「衝撃的な発表」を行い 、四皇たち(赤髪海賊団やクロスギルド、黒ひげ海賊団)もそれぞれ動きを活発化させています 。そんな中、世界政府最高権力五老星の指揮下にある謎の精鋭部隊「神の騎士団」がエルバフ併合を狙い始め、物語は巨人族の国を舞台に新たな戦乱へ突入しました 。

本記事では、エルバフ編序盤から最新話までの重要な出来事を時系列で振り返り、主要キャラクターの動向や今後の伏線について整理します。真面目な文体で分かりやすく解説しますので、この機会にぜひ現在の『ONE PIECE』の流れを掴んでください。

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エルバフ編の導入と背景

エッグヘッド編の結末とエルバフへの航路: エッグヘッド島で起きた戦闘(エッグヘッド事件)では、麦わらの一味がDr.ベガパンクを世界政府の暗殺部隊から守り抜きました。結果的に一味は島から脱出し、ベガパンク本体の救出には部分的に成功したものの、政府はベガパンクが消息不明となった隙に情報操作を開始します 。世界新聞には麦わらのルフィが「ベガパンク殺害犯」として指名され、また同行していた巨人戦士海賊団(エルバフ出身のドリー&ブロギー船長)が「エッグヘッドを襲撃した」犯人として濡れ衣を着せられてしまいました 。一方、一味は海軍大将黄猿や五老星のサターン聖まで出張った激戦から命からがら逃れ、ベガパンクの分身リリスやくま、ボニーとともに次の目的地エルバフを目指します 。エルバフにはオハラから託された“全知の樹の書庫”が存在するため、ロビンにとって避けて通れない地です。また仲間のジンベエの手引きで、革命軍から奪還されたばかりのバーソロミュー・くま(記憶を失って暴走していた)がボニーと再会し、一緒に航海に加わっています 。

巨人の国エルバフと騎士団の陰謀: 麦わらの一味と同行者たちは、巨人族戦士たちの船団に加わりエルバフへ向かいました。世界政府もまたエルバフに目を付け、かねてより強大な巨人族を支配下に置こうと画策していました 。五老星直属の「神の騎士団」はエルバフ併合作戦を開始しつつあり、エルバフ編はこの巨人族の国を巡る思惑が交錯する中で幕を開けます 。

主要な出来事(時系列順)

1. 巨人の国への到着と「神の国」の謎

エルバフへ向かう航路で、麦わらの一味は巨人族戦士たちと酒盛りをしながら親睦を深めました 。リリス(ベガパンクの戦闘用分身)も同行し、ベガパンク本体のクローンを生命維持容器ごと持ち出してきたことを明かします 。彼女はエルバフで新しい研究所を建設し、そのクローン体を復活させるとともに、くまの記憶と人格を取り戻す計画を立てていました 。さらに、一味と行動する宝箱舟リリィ号には、長年離ればなれだったジュエリー・ボニーと父くまが再会を果たし、親子で水平線を眺め涙する場面もありました 。

しかしエルバフ到着の直前、想定外のハプニングが起こります。宴会で酔いつぶれた隙に、ルフィ・ゾロ・ナミ・ウソップ・サンジ・チョッパーの6名が突然姿を消してしまったのです 。残るロビン、フランキー、ブルック、ジンベエたちと巨人船団は二日間にわたり行方を捜索しましたが見つからず、彼らは「仲間は無事だ」と信じ目的地エルバフへ先行する決断をします 。

一方、行方不明となっていたルフィたち6人は、奇妙な場所で目を覚ましました。巨大な城と見知らぬ服装、周囲には巨獣や巨大昆虫が徘徊し、自分たちまで体が大きくなったような錯覚に陥ります 。ナミとウソップが城内で逃げ惑う中、ルフィ・ゾロ・サンジの3人は巨大生物たちと戦闘し、チョッパーは行方不明でした 。やがて6人は合流し、自分たちが**「神の国(ランド・オブ・ゴッズ)」と呼ばれる不思議な世界に囚われていると知らされます 。彼らに話しかけてきた謎の人物によれば、この地には太陽の神殿があり「恐ろしい守護者」がいるとのこと。しかし冒険心を刺激されたルフィが一直線に城を飛び出したところ、見えない天井に激突して“空”が砕け散りました 。それは巨大な片面鏡**でできたドーム状の壁であり、その向こうには巨人サイズの趣味部屋が広がっていたのです 。一味は鏡の隙間から部屋に出て行き、巨大な裁縫道具や積み木から、自分たちが誰かの手で人形のように着せ替えられ、模型の王国に閉じ込められていたと推理します 。

直後に、一味に飼育された巨獣たち(鏡の部屋の「ペット」たち)が襲いかかり、騒動を聞きつけた偽の太陽神が姿を現しました 。この正体は新巨兵海賊団のロードという巨人で、麦わらの一味を**「生き人形(ライブドール)」にして自分の国の住民に仕立て上げようと企んでいたのです 。ロードは巨人族の英雄ハイルディン(新巨兵海賊団船長)の部下ですが、かつて船長が麦わら大船団に加入しルフィに仕えると決めたことが不満で、勝手に一味を捕らえて屈服させようとしました 。しかし一味は反撃に転じ、ナミがゼウスの雷霆(ライトニングブラスト)でロードを撃ち倒し、ルフィも壁を破って檻から脱出、辛くも神の国(模型世界)からの脱出に成功**します 。

2. 巨人族との再会とエルバフの現状

ロードを撃退したルフィたちは、巨大な吊り橋を渡ってエルバフ本島へ向かいます。その途中で新巨兵海賊団の女戦士ゲルズと巨漢ゴールドバーグに遭遇しましたが、先ほどの騒ぎでロードの暴挙が露見しており、彼らはロードを成敗すべく城へ向かいます 。ルフィは橋の途中で「誰かの声」が森から聞こえるのに気づき単独で飛び降り、他の5人は橋を急ぎました 。森でルフィが出会ったのは、両目に布を巻かれ海楼石の鎖に繋がれた巨人族でした。ルフィが名乗ると、その巨人は自らを「太陽神」を名乗り、エルバフの地下深く“奈落(アンダーワールド)”に六年間も幽閉されているローキ王子だと明かします 。ローキはかつてエルバフの王子でしたが、自身の父ハラルド王を殺害し、伝説の悪魔の実を食べて暴走したため捕らえられていたのです 。巨人たちは彼を「忌まわしき王子」「エルバフの恥」と呼び、その復活が“世界の終わり”をもたらすとまで恐れています 。

ルフィはローキから**「自分を解放してくれれば、望む海賊団を一つ滅ぼしてやる」と取引を持ちかけられます 。さらに森にはローキに屈服させられた他の人間の生存者もおり、彼らとの会話で赤髪のシャンクスの話題が出ると、ローキが彼を嘲笑しました 。憧れのシャンクスを侮辱されたルフィは激怒し、一瞬でギア4を発動してローキに襲いかかります 。ローキは慌てて前言を撤回し、シャンクスに関する情報と引き換えに「ある約束」**をルフィと交わしました(※ルフィは後にこの約束の内容を守ることを誓っています )。ひとまずローキを完全には解放せず脚枷だけ残した状態で、ルフィは橋の上へ戻りました 。

同じ頃、麦わらの残りの仲間たちも無事に橋を渡りきり、橋の先でゲルズたちと合流します。彼らは途中で追ってきた雷傷を負った巨人(ロードが“太陽神”を名乗っていた張本人)を取り押さえており、一味と巨人たちはここでようやく再会を果たしました 。巨人たちはロードの悪行を詫び、処罰として彼を磔刑に処します 。こうして誤解も解け、麦わらの一味は巨人族の西の村へ招かれることになりました 。タイミングよく、海で分かれていたロビン達の組と巨人船団もエルバフに到着し、「太陽の大地(サンワールド)」と呼ばれる中層部の大地へ虹の道を使って上陸します 。エルバフの地形は巨大樹「宝樹アダム」で三層に区切られており、**地表が奈落、樹上が太陽の大地、さらに上空の樹冠部が天上の大地(ヘブンワールド)**と説明されました 。

ロビンとサウロの再会: エルバフ西の村に集結した一行を待っていたのは、かつてオハラで死んだと思われていた巨人族の元海軍中将ジャガー・D・サウロでした。22年前、サウロはオハラ壊滅のバスターコールで青キジ(クザン)に氷漬けにされましたが、島の炎で氷が融け海に落下したおかげで一命を取り留めていたのです 。オハラ殲滅後、世界政府はロビンを「悪魔の子」と汚名を着せ追われる身にしましたが 、サウロもまたその後密かにオハラの書物を引き上げ巨人族に託すなど活動していました。現在サウロは**エルバフの「フクロウ図書館」**で教師を務め、巨人族の子供たちに歴史を教えています 。

ロビンはサウロと涙の再会を果たし、長年の生存の謎や母オルビアの最期について語り合いました 。サウロは「よく生き抜いた」とロビンを称え、ロビンもまた「もう悲しい話は聞きたくない、ただ褒めてほしい」と涙ながらに訴えます 。抱擁する二人の姿に、傍らで見守るルフィたちも大号泣しました 。サウロは仲間たちに礼を述べ、ロビンが自分の願った“仲間”を得て四皇の一員にまでなったことに感慨を示します 。一方で、リリスは自らを「ベガパンク」と名乗りサウロに挨拶し、エッグヘッドからベガパンクのクローンを持ち出してきたこと、この地に新研究所を構えてくまの人格復元を行うつもりであることを明かしました 。ロビンたちはサウロの案内でオハラの書物が収められている図書館へ向かい、ルフィたち他の面々はゲルズに連れられてサウロが設立した学び舎「セイウチ学校」を見学します 。

エルバフの過去と巨人族の現状: セイウチ学校では、戦士としてではなく未来を担う子供として巨人族の子らが教育を受けていました 。実はエルバフは100年前まで「戦士の国」として世界中から恐れられていましたが、現国王(故人)ハラルドの改革によって略奪より交易を重視する平和国家へ転換していたのです 。ハラルド王は国外での経験から他国との交流の大切さを説き、巨人族が他種族と手を取り合う未来を夢見ていました 。しかしその理想に反発する勢力もあり、ハラルド王と王妃エストリッドの実子ローキ王子は生まれながらに不吉の烙印を押されていました 。伝承によればローキは「生まれる前から父を殺す運命」とされ、実際に彼の誕生後エルバフでは不吉な事件が相次ぎます。母エストリッドは生まれたローキの目を見て恐怖し、赤子の彼を奈落へ投げ捨てました(ローキは奇跡的に生き延びる) 。以降、エルバフで天変地異や紛争が起きるたび、それはローキの呪いと噂されます 。ローキ自身も歪んだ幼少期を送り、他者を傷つけても満たされず自殺未遂を図るほど精神は追い詰められていきました 。

やがてローキは成長すると暴虐の限りを尽くすようになります。48年前、ハラルド王が不在中にローキは動物の軍勢を率いて西の村を襲い、異母兄弟のハイルディン(ハラルドと人間女性イダとの間の子)さえも叩き伏せて暴れ回りました 。その後も彼は留まることなく破壊を繰り返し、6年前ついに父ハラルド王との直接対決に至ります。この時、四皇シャンクスが仲裁に入りローキを打ち倒したため、ハラルド王は一命を取り留めました 。しかし傷がもとでハラルド王は死亡し、ローキは国家反逆者として地の底に封印された――というのがエルバフで一般に知られる経緯です 。

巨人族の長老で伝説の英雄ヤルルは、一連の悲劇の背景に**「ハーレー経典」という古代から伝わる宗教文書の存在があると語ります 。それによれば世界は過去に二度滅びており、そのたびに「太陽の神ニカ」が関与していたが詳細は解読不能だと言います 。巨人たちはニカを“力の象徴”と捉える派も多く、ロードのように太陽神の名を騙る者まで現れたのです 。ハラルド王とローキもまた各々が信じる“ニカ像”に影響されていた可能性が示唆されました 。ヤルルはローキ出生前から「この子は父王を殺す」との神託があったことも明かし、実際ロキ誕生後に「運命の馬アスラ」**が急死、翌年に王妃も崩御するなど不吉が続いたと語ります 。ヤルル自身も6年前ローキ討伐に挑み頭に重傷を負いましたが、唯一生き残り、ローキはシャンクスによって止められた過去を持ちます 。ヤルルの話を聞いたルフィは、「シャンクスの居場所を知る手掛かり」を得るためローキを助けようと決意し、ゲルズたちに内緒でローキ救出の鍵を探しに行くことにしました 。

3. 神の騎士団の襲来と子供誘拐事件

そんな折、エルバフに世界政府の魔の手が迫っていました。「神の騎士団」と呼ばれる謎の部隊が極秘裏にエルバフへ潜入し、巨人族の子供たちを眠らせて拉致するという前代未聞の事件が発生します 。騎士団の目的はエルバフの未来を握る子供を人質に取り、巨人国を降伏させることでした。彼らは古代から聖地マリージョアを守る選りすぐりの戦闘集団で、五老星にも匹敵する不死性と戦闘力を持つと言われています 。実際、騎士団の一人軍功卿ガンコが現れると、駆け付けた麦わらの一味や巨人戦士たちも苦戦を強いられました。ガンコは自らを「神」と称し、麦わらの一味の攻撃を一切受け付けません 。ウソップの必殺の一撃で身体が砕けたかに見えましたが、すぐさま五老星と同じ不死身の再生能力で元通りになってしまったのです 。

騎士団は誘拐した巨人の子10人を人質に、「1時間以内にオウル図書館とセイウチ学校を焼き払い、エルバフを世界政府に明け渡せ」という最後通告を巨人たちに突きつけます 。応じなければ子供たちを処刑すると宣言し、その判断をヤルル長老に迫りました 。誘拐された子供の中にはロビンたちが見学していたセイウチ学校の生徒コロン(ゲルズの甥)も含まれており、麦わらの一味はコロンに懐かれていたこともあって救出に名乗り出ます 。

スコッパー・ギャバンの参戦: 非常時に際しエルバフの地で隠居生活を送っていた**“山喰い”ヤ=さんことスコッパー・ギャバン**が動き出しました。ギャバンはかつてロジャー海賊団にて「海賊王の左腕」と謳われた伝説の男で、ロジャーとレイリーに匹敵する実力者です 。20年以上前に引退し、人間と巨人のハーフである息子コロンを育てながらエルバフに暮らしていました 。今回コロンが誘拐されたことでギャバンは久々に武器を取り、一味と共闘します。彼はまずルフィとゾロを試す目的で小競り合いを仕掛けますが、二人の実力を認めるとあっさり降伏し、ローキの鎖の鍵を譲り渡しました 。さらに巨人族側にも協力し、騎士団の一人“茨のソマー”卿との激闘を繰り広げます。ソマー卿は植物系の能力で自身を不死身の棘人間と化していましたが、ギャバンは武装色の覇気を極めた斧撃でソマー卿を真っ二つにし、再生すら許さない痛撃を与えました 。それでもソマー卿は不滅の命ゆえに完全には倒れず、騎士団側はさらなる策を講じます。

イム様の降臨: 誘拐事件の背後には、世界政府の玉座に君臨する謎の存在イム様の意思がありました。マリージョアでは革命軍の襲撃によって「聖地全体が業火に包まれる」という異常事態が進行中で、五老星たちは時間との戦いに焦っています 。イム様は騎士団のガンコに意識を乗り移らせることで直接介入し、エルバフ制圧を急がせました 。ガンコの瞳が爬虫類のように変化し長髪化すると、その力は桁違いに増幅します 。救出に駆け付けた巨人戦士たちも次々と見えない棘に貫かれ、イム様の放った覇王色の覇気の衝撃で大人たちは失神し、さらに謎の魔法陣で吹き飛ばされてしまいました 。イム様は部下のソマー卿とキリンガム卿に子供確保の続行を命じると、自らは宝樹アダムの上で待ち受けていた巨人族戦士たちに応戦します 。巨人の英雄ブロギーがイム様を羽交い締めにしましたが、イム様は書物から奇怪な短剣と銃を取り出しブロギーの左腕を容赦なく切り落としました 。さらに「A・クワル」「ドミ・レベルシ」といった禁呪を唱え、自身の肉体を悪魔の如き異形へ変貌させます 。同時に、その力を周囲にも波及させ、巨人族戦士たちや“MMAモンスター”と呼ばれる怪物群までも悪鬼のように凶暴化させてしまいました 。正気を失った巨人たちはヤルル長老を抹殺し新たな戦争時代を築くと宣言しながら暴れ始め、エルバフの村は大混乱に陥ります 。

イム様は騎士団に「エルバフの心を完全に折るまで攻撃を続けろ」と命じ、さらに「もしハラルド王が失敗せず協力していれば、とっくにエルバフは征服できていたものを…」と独白しました 。これは過去にハラルド王へ政府側が接触していたことを示唆しています。実際、一部始終を見守っていたゲルズ先生は、イム様の台詞から**「ハラルド王は何か取引をしていた?」**と疑念を抱いています。

4. ローキの解放と巨人国の反撃

奈落の牢獄では、ルフィとゾロ、そして救援に駆け付けたハイルディンたち新巨兵海賊団がローキ王子と対峙していました。ローキは封印を解けと迫りますが、ゾロは「こんな怪物を放てば被害が出る」と反対します 。ルフィは悩んだ末、脚に残っていた最後の海楼石の鎖だけを外さずローキを不完全に解放しました 。そこへ、ギャバンから事情を聞いたサンジ達や巨人戦士たちも集結しますが、意識を取り戻したローキが再び暴れ始めます 。ローキは鎖につながれたまま大槌を振り回し、宝樹アダムの幹を殴りつけました 。すると樹上の太陽の大地では落雷と大火災が発生し、巨人の子供たちが眠らされて連れて行かれている「第8枝道」が炎に包まれてしまいます 。巨人族にとって火と雷は天敵であり、消火隊が出動するも巨大怪物に行く手を阻まれ、火の手は広がっていきました 。

この緊急事態に際し、魚人族のジンベエが“海雲一本背負い”の技で空中の雲から大量の海水を引き寄せ、見事に火災を消し止めました 。子供達は難を逃れましたが依然眠ったままで、棘の罠に阻まれて救出できません。そこへ誘拐犯の親玉ガンコが巨大鳥に乗り飛来し、偶然居合わせた麦わらの一味とコロン坊やを発見します 。一味はコロンを守ろうと応戦しますが、ガンコは強靭かつ再生能力を持つため、ルフィたちの攻撃が通じません 。逆にガンコの圧倒的な力で一味は次々に倒され、最後はコロンを人質に捕らえられてしまいました 。さらに別働隊のキリンガム卿はセイウチ学校を制圧し、通信電伝虫を乗っ取って全エルバフに声明を流します 。彼は「子供10人を捕らえた。要求を飲まねば全員殺す」と宣言し、実行役のソマー卿は隠れ潜んでいたサウロをも茨で捕縛し戦闘不能に陥れました 。ソマー卿は「戦士の国としての巨人族の誇りを捨てさせたハラルドのせいで国が弱体化した」と憎々しげに叫び、ヤルルに究極の選択を迫ります 。

追い詰められたヤルルは「子供達の命には代えられぬ」と涙ながらに降伏を決断しました。彼は開設以来守り抜いてきたオウル図書館とセイウチ学校の焼却を指示し、騎士団の要求を受け入れてしまいます 。その瞬間、ソマー卿はロビンにも茨の一撃を食らわせ、ロビンは気絶してしまいました 。騎士団は作戦成功と勝利を確信し、次なるステージとしてヤルルの抹殺とエルバフ編入に向け動き出します。

しかしここから、形勢は大きく逆転し始めます。ギャバンがソマー卿を退け、巨人戦士たちも各所で奮戦していたのです。スコッパー・ギャバンは茨に囚われたロビンを救出し、ソマー卿の腕を覇気の斧で斬り落としました 。その隙にロビンは機転を利かせ、ソマー卿を図書館から地上へおびき寄せる陽動作戦を敢行します 。ソマー卿がロビンを追って枝道の端まで来たところで、ギャバンの渾身の一太刀が炸裂し、ソマー卿は胴体を真っ二つに裂かれました 。さしもの不死身の騎士もこれには堪らず、その場から戦線離脱します。ギャバンはすかさずコロン救出に向かい、彼を守ろうとして再び現れたガンコとも交戦しました。しかしガンコは捕らえたコロンの喉元に矢を突きつけ、「父親ならこの子を見殺しにできるか?」と脅迫します 。無念のギャバンは我が子の命には代えられず投降し、ガンコは無慈悲にもギャバンの胸に数本の矢を撃ち込みました 。致命傷を負ったギャバンの身体は奈落へと転落していきます。

幸い、下で見張っていたチョッパーがガードポイントでギャバンの落下を受け止め、間一髪で命を繋ぎ止めました 。駆け付けたルフィたちは初めてギャバンの素性(コロンの父親で元ロジャー海賊団員)を知り驚愕します 。チョッパーから「太陽の大地で子供達が攫われ大変なことになっている」と知らされると、ルフィは遂に覚悟を決めました 。そこへイム様の強大な覇気の気配がエルバフ全土に轟き渡り、一同は身震いします 。

ルフィはハイルディンやゾロ、サンジら主戦力を引き連れ、巨人族が用意したリフトで太陽の大地へと上昇開始しました 。ただしルフィ自身はまだ下に残っています。というのも、ローキ王子の「真実」を聞き出すために時間を割いたからです 。ギャバンは出陣前、ハイルディンに「ローキを解放してやれ」と提案していました 。実は6年前、シャンクスがローキを討った際、城に強大な“何者か”の覇気を感じ取っていたといい、ハラルド王殺害事件にはまだ隠された事情があると示唆したのです 。ハイルディンはローキに「3分だけ時間をやる。その間に6年前とそれ以前の真実をすべて話せ」と迫りました 。ルフィとハイルディン、ゲルズ、チョッパーらは瀕死のギャバンとローキを残して上がることを選び、ローキの口から語られる“過去の真相”に耳を傾けることになります。

5. ゴッドバレー事件の真相 (※最新話の回想シーン)

物語はここで、今や伝説となっている**「ゴッドバレー事件」**の回想へと突入します。エルバフ編では、この世界の根幹に関わる出来事が次々と明かされており、中でもゴッドバレー事件は最大の鍵と言えます。以下に判明したポイントをまとめます。

  • シャンクス出生の秘密: かつて世界貴族(天竜人)の最高位に立つ戦士フィガーランド・ガーリング聖(ゴッドバレー島の統治者)は、現地の女性との間に**双子の息子(シャンクスと双子の兄シャンロック)**をもうけていました 。39年前、ガーリング聖はゴッドバレーで開催された「原住民狩り祭り」の直前、自らの愛人でもあった双子の母親を手にかけ、島を消し去る計画を明かします 。当時幼児であったシャンクスとシャンロックはドラゴン(若き日のガープの息子)ら海兵に保護され、後にロジャー海賊団に託されました 。シャンロックは成長して神の騎士団の総帥となり、現在エルバフに侵攻している人物です 。一方のシャンクスは海賊の道を選び、出生の秘密を知った上で天竜人の地位を捨て“下界”に留まる道を選択していました 。
  • ロックスの目的とDの意志: 当時のロックス海賊団船長ロックス・D・ジーベックは、実はゴッドバレー島に隠れ住む「一族」の長でした 。ロックスは「ダヴィー“D”ジーベック」という本名を持ち、妻子を含む一族郎党が密かに島で暮らしていたのです 。原住民狩り祭りで彼らが皆殺しにされるのを阻止すべく、ロックスは仲間を率いて島に向かいました。その途上でロックスは偶然ハラルド王率いる巨人族艦隊と遭遇します 。巨人族は世界政府に雇われ島を封鎖していましたが、ロックスはハラルドに自らの素性と目的を明かし、協力を懇願しました 。しかしハラルド王は「エルバフを政府加盟させるため五老星と“ある取り引き”を交わしていた」ためこれを拒否し、逆にロックスと一戦交えてしまいます 。結局ロックス海賊団は単独でゴッドバレーに突入し、ロックスは一族を守るべく世界政府と全面衝突しました。
  • ガープ&ロジャー対ロックス: 祭り当日、海軍の英雄ガープ中将と若きゴール・D・ロジャーがそれぞれゴッドバレー島へ乗り込みます。海軍は一般市民を「狩りの獲物」にするという非道な祭典を黙認していましたが、ドラゴン(当時海軍所属)は島民を避難させようと奔走していました 。やがてロックス海賊団とガープ、ロジャーの三つ巴の戦いが勃発します。ロックスのクルーには若き白ひげやビッグ・マム、カイドウら後の大物海賊が顔を揃えていましたが、ロックス自身は次第に常軌を逸し、“悪魔”のごとき異形へと姿を変えていきました(不老手術か何らかの力によるものと推察されます)。ロックスの暴走により島中が地獄絵図と化す中、ガープとロジャーはついに手を組み、ロックス本人に挑みます 。壮絶な激闘の末、島上空に覇王色の衝突による巨大な衝撃波が発生し、神々の住む聖地の空が真っ二つに割れました 。この一撃でロックスは倒れ、彼の野望は潰えます。ロックス海賊団は壊滅し、生き残ったクルーは四散しました(白ひげ、ビッグ・マム、カイドウらは島から脱出し、それぞれ後年に“四皇”として台頭) 。海軍は事件を徹底的に秘匿し、ゴッドバレーという島そのものを地図から抹消しました。事件の真相は闇に葬られ、世間には「英雄ガープが人知れず天竜人とその奴隷たちを守った」とだけ伝えられています。

※物語ではこのゴッドバレー回想シーンが最新話(1165話)まで続いています。ガープとロジャーの共闘や、事件後にガープが“英雄”と呼ばれるに至った経緯などが詳細に描かれており、One Piece史上初めてゴッドバレー事件の全貌が明かされる展開となりました 。またシャクヤク(元アマゾン・リリー皇帝)誘拐事件や若きドラゴンの動向など、新情報も多数登場しています。この回想を通じ、巨人族ハラルド王がロックス討伐を政府に持ちかけられていたことや、ロックスが“Dの一族”だったことなど、今後の物語に繋がる伏線が散りばめられています 。

主要キャラクターの動向

  • モンキー・D・ルフィ(麦わらのルフィ): 新たな四皇として懸賞金30億ベリーを抱える海賊。エルバフ編では仲間と離れ「神の国」で巨人に捕らわれるも機転と力で脱出し、巨人達との交流を深めました。憧れの赤髪シャンクスの手掛かりを得るため、危険視されるローキ王子の解放も敢行しています 。誘拐事件では巨人の子を守るべく戦いましたが、神の騎士団の強大さに苦戦し一時敗北しました 。しかし覇王色の覇気を更に高めるヒントを得ており 、反撃の時を虎視眈々と狙っています。現在は太陽の大地へ向かい、イム様率いる敵陣との決戦に挑もうとしています。
  • Dr.ベガパンク(“世界最大の頭脳”): 世界政府に反旗を翻した天才科学者。エッグヘッド編でCP0と五老星サターン聖に命を狙われましたが、一味の奮闘でその身柄は一応確保されました。ただし本体は消息不明で、分体のリリスがベガパンクのクローン体を携行している状態です 。ベガパンクはエッグヘッドで**「偉大な戦争の再来は避けられない」**と予言しており 、自身もそれに備えるべく動いています。エルバフでは20年前に滞在した縁もあり、新たな研究拠点を築いて古代王国の研究やバーソロミュー・くまの人格復元に取り組む計画です 。彼がエッグヘッドから世界に向け放った発表の詳細は不明ですが、それが政府の焦りを誘いエルバフ侵攻の引き金になったともいわれています 。
  • 巨人族とエルバフの戦士たち: エルバフ編には多くの巨人族キャラクターが登場しています。ドリー&ブロギー(リトルガーデン編の巨人コンビ)は懸賞金がそれぞれ18億ベリーに更新され 、事件後エルバフに帰還してイム様と対峙しました。ハイルディン(麦わら大船団の巨人傭兵)は実はハラルド王と人間女性の息子でローキの異母兄と判明し 、エルバフ統一の夢を胸に戦っています。長老ヤルルは巨人族最年長の武人ですが、今回エルバフの未来を守るため図書館焼却を決断する苦渋を舐めました 。ジャガー・D・サウロはロビンとの再会を果たし、オハラの意志を継いで巨人の子供たちに歴史を伝えていました が、騎士団の襲撃で重傷を負っています 。封印されていたローキ王子は一時的に鎖を解かれ、ルフィとの奇妙な協力関係が生まれました。彼はかつて歪んだ暴君でしたが、最新話で彼自身の口から**「14年前の真実」**が語られ始め、ハラルド王殺害の真相にはまだ続きがあるようです。
  • 世界政府(五老星と騎士団): エッグヘッド編で初登場した五老星の一人ジェイガルシア・サターン聖は、自らエッグヘッド島に赴き“悪魔のような真の姿”を現して戦闘に加わりました。五老星の正体は超人的な不死身の怪物であり、政府の絶対的武力であることが明示されています。エルバフ編では五老星直属の「神の騎士団」が本格登場し、その総隊長シャンロックは赤髪のシャンクスと双子の兄弟(フィガーランド家出身)であることが判明しました 。騎士団員はいずれも天竜人の名家出身の戦士で、不老不死の身体と特殊な能力を持ちます 。彼らは巨人族の子供誘拐という非道な手段でエルバフ掌握を狙い、一時は目的を果たしかけました。また玉座の支配者イムが騎士団員ガンコに憑依し、自ら戦線に立ったことも大きな衝撃でした 。イムはゴッドバレー事件以来、幾度も「天上人に仇なす者」を島ごと消し去ってきた可能性があり、今回もエルバフの壊滅すら辞さない構えです。五老星と騎士団の存在により、いよいよ物語は表の海軍vs海賊の構図を超えた“世界政府vsDの一族”の最終戦争へと向かっています。

今後の展開を予想するヒント・伏線

エルバフ編までの物語には、最終章に向けた数多くの伏線が散りばめられています。ここでは主なポイントを整理します。

  • 古代文字の書物と“オハラの意志”の継承: ロビンはエルバフのオウル図書館でオハラ由来の膨大な書物を目にし、空白の歴史解明に向け大きく前進しました 。かつてオハラで焼かれたはずの文献が無傷で残っており、巨人族の手でしっかり保管されている事実は、歴史の真実解明と世界政府打倒の希望となります。政府は今回この知識の殿堂を焼却させましたが 、ロビンやベガパンクが既に内容を把握した本もあり、“Dの王国”の真相が近く明かされる可能性があります。
  • 「ハーレー経典」と“三つの世界”の予言: 巨人族に伝わる古文書ハーレーには3章にわたって歴史の流れが記され、3つ目の世界(現代~未来)は「太陽の神が笑い踊り、世界を導く」とあります 。これはジョイボーイ=太陽の神ニカの復活(=ルフィのこと)を示唆しており、ルフィが世界を夜明けに導く存在である伏線と捉えられます。ハーレーによれば世界は既に二度滅んでおり、ニカ(Dの一族)が深く関与していました 。3度目の終末が訪れようとしている現在、麦わらの一味や同盟国の動向が“歴史の軌道”をどう変えるのか注目されます。
  • 「X印」が示す者: 世界新聞に掲載されたルフィの写真の腕に描かれた大きな“X”印は、多くの読者の間で議論を呼んでいます 。これはアラバスタ編でビビ王女が仲間との絆の証に用いた印と同じであり、故意に描き足された可能性があります。誰が何の目的で付けたのか、今後明かされるでしょう。おそらくルフィに近い誰かが世界に向けて発した暗号メッセージとも考えられ、革命軍やシャンクスへのサインという説もあります。
  • シャンクスの出自と動向: シャンクスが聖地出身のフィガーランド家の血を引くことが公式に示されました 。彼はその立場を捨て海に出たものの、五老星とも面会するなど独自の行動を取っています。双子の兄シャンロック(騎士団総帥)はシャンクスを「裏切り者」と見なしており、今後二人が直接対峙する展開も考えられます。赤髪海賊団はすでにエルバフで“キッド海賊団壊滅”という戦果を挙げており、巨人達との親交も深いです。シャンクスは現在ワンピース争奪戦に本格参戦していますが、その真意や天竜人との関係など解明すべき謎が残ります。
  • ロックス・D・ジーベックの遺志: ロックスは倒れましたが、彼が守ろうとした「一族」は完全には滅んでいない可能性があります。ロックスの血縁者や“Dの一族”の秘密について、新たな展開が期待されます。エッグヘッド編では、かつて聖地で奴隷だった少女**ジェベル“Ginny”**の存在が語られ、彼女が不老手術の犠牲になった疑惑が浮上しました。Ginnyはボニーの能力と酷似した年齢操作の力を持っていたとも言われ、ロックスや世界政府との因縁に繋がる伏線と考えられます。
  • 世界政府 vs. 巨人族と“最終戦争”: 五老星および騎士団によるエルバフ侵攻事件は、革命軍による聖地襲撃や麦わらの一味の活動と時を同じくして起きています。政府はベガパンクの発言通り「もはや世界大戦は避けられない」と判断し、巨人族を戦力に取り込もうとしました 。しかしその策はロビン達の活躍で失敗しつつあります。ガンコは「世界はこれから巨大な戦争に向かう。エルバフがどちらにつくかで勝敗が決まる」と語っていました 。まさにエルバフは最終局面のキーとなる国家です。巨人族はイム様の魔手で一時支配されましたが、ルフィ達の奮闘で再び味方に引き戻されるでしょう。歴史ある巨人族と“Dの一族”が手を携え、世界政府に挑む構図が見えてきました。
  • 各勢力の次なる動き: 他の四皇勢力も黙ってはいません。黒ひげ海賊団はハチノスでハートの海賊団を破り、コビー誘拐やガープ中将の捕縛など暗躍しています 。クロスギルド(バギー・クロコダイル・ミホーク)は独自にワンピース争奪戦に名乗りを上げています 。そして革命軍は聖地で戦いを繰り広げ、マリージョアを火の海にするほどの攻勢に出ています 。これら多方面の動向が一点に収束し、“ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)”と800年の歴史の謎を巡るクライマックスが近づいています。エルバフ編で明かされた数々の伏線が、今後の展開を予想する上で重要な手掛かりとなるでしょう。麦わらの一味と世界政府の最終決戦は目前です。歴史に翻弄された巨人族の悲願とDの意志が交わる時、世界はどのような“夜明け”を迎えるのか、引き続き注目です。 

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