ワンピース「エルバフ編」徹底ガイド:あらすじ・考察・感想

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ワンピース「エルバフ編」徹底まとめ&考察:巨人の国で明かされる真実と今後の展開

はじめに – エルバフ編とは何か?

ワンピース最終章に突入し、ついに麦わらの一味が長年夢見てきた 「巨人族の国」エルバフ を舞台とする物語が展開しています。エルバフ編は、これまで伏線として語られてきた巨人族や歴史の謎が明かされる重要な章であり、ファンの間でも期待が非常に高まっていました。この記事では、第1156話までに判明したエルバフ編の内容を総まとめし、今後の展開についても考察していきます。最新話までのネタバレを含みますのでご注意ください。

エルバフ編は、ワノ国編・エッグヘッド編に続く最終章の一環であり、物語の舞台が**“あの島”=エルバフへと移っています 。作者・尾田栄一郎先生もジャンプフェスタで「もしルフィ達が無事エッグヘッドを出られたら…あの島に行きます」「ルフィは止められない」と語り、エルバフ行きを示唆していました 。さらに「“アレ”の奪い合い**になりますね。いよいよです」との言葉から、最後のロードポーネグリフを巡る争奪戦が本格化することも示唆されています 。本記事では、エルバフ編のストーリーや登場キャラ、判明した事実を振り返りつつ、考察好きのファン向けに今後の鍵となるポイントも考えていきます(事実8割+妄想2割程度でお届けします)。

エルバフの基本情報 – 巨人族の故郷と最強の国

まず、舞台となるエルバフという島の基本情報を整理しましょう。エルバフは新世界に位置する巨人族の王国で、世界政府に属さない独立国です 。巨人族こそが暮らすこの国は、その強大な戦士達ゆえに「世界で最も強い国」と称されます 。実際、ビッグ・マム(シャーロット・リンリン)は巨人族の軍事力を欲し、娘ローラをエルバフの王子ロキに嫁がせ同盟を結ぼうとしたほどでした 。ローラの逃亡でそれは破談となり、結果的にビッグ・マムは巨人族から恨まれることになります。

エルバフは初出が遥か昔(連載20年以上前)のリトルガーデン編まで遡り、当時ドリーとブロギーという二人の巨人戦士が「戦士の島エルバフ」出身であると語られました 。ルフィとウソップはその誇り高い巨人達との出会いに胸を躍らせ、「いつか必ずエルバフに行こう」と誓い合っています 。それほど麦わらの一味にとっても因縁深い夢の島がエルバフなのです。

エルバフの地理的特徴として、島の中央に伝説の宝樹「アダム」が聳えている点が挙げられます。巨大樹アダムは島すらも凌ぐ規模で雲に届くほど高く、その枝葉が島に複数の層を形成していると言われます 。このため、エルバフは海面の「大地界」だけでなく、樹上の「天上界」や地中深くの「冥界」まで含めた立体的な国土を持つ独特な島のようです 。島全体が巨大な動植物にあふれ、まさに「すべてが桁違いに大きい」と探検家が記録している通りの光景が広がっています 。

文化面では、エルバフは戦士の誇りと武勇を何より重んじる国柄です。巨人族は平均寿命が300年にも達し長命であるため、世界の歴史に精通した古老も多く存在します 。加えて世界政府非加盟国で独自の文明を守ってきたため、「消された歴史」や古代兵器の秘密などもこの島に伝わっている可能性が高いと考えられます 。こうした背景から、ファンの間では「エルバフには最後のロードポーネグリフがあるのでは?」や「古代兵器ウラヌスの手掛かりが眠っているかもしれない」といった考察も根強く囁かれてきました 。

エルバフ編の主な登場キャラクター・勢力

エルバフ編では、麦わらの一味に加えて巨人族や四皇勢力など多数のキャラクターが関わっています。ここで主要な人物・勢力を整理しましょう。

  • 麦わらの一味:ルフィ率いるおなじみの一味。エッグヘッドでの激闘を終え、Dr.ベガパンクと共に次の目的地エルバフへ向かいました 。一時「神の国(Land of the Gods)」と呼ばれる謎の場所で船員が分断されましたが、現在は再合流してエルバフでの冒険に臨んでいます 。なかでもウソップは幼少期から巨人族に憧れ「勇者の村エルバフに行った」とホラを吹いていたほどで、夢が叶った彼の活躍に注目です。ウソップは巨人族の勇士ハイルディン(ハイルディンは新巨兵海賊団船長)ともドレスローザ編で縁を結んでおり、エルバフで勇敢なる海の戦士として真価を発揮する可能性があります。
  • 巨人族サイドのキャラクター:
    • ロキ:エルバフの王子。“呪いの王子”とも呼ばれる悲劇的な人物で、本編では第1130話で本格的に登場しました 。ロキはかつてローラの婚約者として名前だけ登場していましたが、本編でその素顔と人となりが明かされています。長い銀髪に王冠といういでたちで、一見可愛らしい配色の髪(なんとピンクと紫)を持つ巨人ですが、実は自分の父(ハラルド王)を殺めた重大な罪で地下に幽閉されています 。その背景にはロキの生い立ちと“伝説の悪魔の実”を巡る事件があるのですが、それについては後述する**過去編(ロキの幼少期の回想)**で詳しく描かれました。
    • ハラルド王:エルバフの国王でロキの父。エルバフの偉大な英雄王でしたが、現在は故人です。ロキが生まれた約60年前、遠征中に国を留守にしていたハラルドは、大飢饉に陥った祖国の危機を知り帰還しました 。人間族との協力で何とか国難を乗り越えますが、その直後に妻エストリッダが「これはロキの呪いだ」と言い残し急死し 、幼いロキを巡る不穏な運命の幕開けとなります。ハラルド王自身はその後も国を治めていましたが、ロキがある悪魔の実を手に入れるために父を殺害してしまったことが現在明らかになっています 。ハラルド王の死は巨人族にとって大きな衝撃であり、ロキが忌み嫌われる決定打となりました。
    • エストリッダ:ロキの実母で故人。63年前のロキ誕生直後に起きた様々な災厄を「息子ロキの呪いのせい」と吹聴し、生まれたばかりのロキを**「化け物」呼ばわりして冥界(巨人族の地下深くの底)に突き落とす**という暴挙に出た人物です 。結果、ロキは奇跡的に生還したものの母から愛されることはなく、エストリッダはロキを残して間もなく命を落としました 。エストリッダの狂気的な言動は幼いロキの心に深い傷を残し、巨人たちにもロキを忌み嫌う風潮を植え付けることになります。
    • ヤルル&ヨルル:エルバフの長老格だった双子の戦士。作中63年前のエルバフで、ヨルル(“滝ひげ”の異名を持つ巨人)が若き日のリンリン(ビッグ・マム)に殺害される事件が発生しました 。ヤルルは生き残り現最長老となっています。ヨルルの死と同じ頃、エルバフは火災・暴風・寒波といった天災に見舞われ、大地は飢饉に陥りました 。この未曾有の災厄とロキ誕生の時期が重なったため、「ロキが災いを招いた」と信じられてしまったのです。ヤルルは現在も存命で、ロキ幽閉後の摂政として国政を見ているとも考えられます(※ファン考察)。
    • 新巨兵海賊団:ハイルディンを船長とする若い巨人戦士達の海賊団。ドレスローザ編でルフィに恩義を感じた彼らは“麦わら大船団”の傘下となり、一時海へ出ていました。エルバフ編では彼ら新巨兵海賊団も祖国に帰還しており、麦わらの一味を歓迎・支援する味方勢力として登場しています 。ハイルディンの他、ゲルズやスタンセンらメンバーが健在で、エルバフでの戦いでは彼らの活躍も見所となるでしょう。
    • ドリー&ブロギー:ご存知、リトルガーデンで100年以上に渡り決闘を続けていた巨人族の英雄。エルバフの伝説的戦士であり、かつて巨兵海賊団の船長を務めた経歴もあります。近年の本編では赤髪のシャンクスがエルバフ近海に現れた際に彼らドリー&ブロギーも登場し、四皇“赤髪”に味方してキッド海賊団を壊滅させるという驚きの活躍を見せました 。決闘の果てに和解したドリーとブロギーはエルバフに帰郷した様子で、頼もしい古株戦士として今後も物語に関与しそうです。
    • ジャガー・D・サウロ:オハラ出身の元海軍中将の巨人。22年前のオハラ壊滅の際にクザン(青雉)に凍らされ死亡したと思われていましたが、実は生存しエルバフに身を潜めていました 。サウロはオハラの学者達が湖に投げ入れて守った大量の書物を引き揚げ、エルバフに「フクロウの図書館(Owl Library)」という書庫を設けて保管していました 。ニコ・ロビンにとっては育ての親のような存在であり、エルバフ編では遂にロビンとサウロの再会が実現しています 。22年ぶりの再会シーンは感動的で、ロビンが涙ながらに師であるサウロと抱き合う描写はファンの胸を打ちました 。サウロは現在、巨人族と協力してオハラの遺産である書物を研究・解析中であり、彼の持つ“D”の名やオハラの知識も物語の鍵となりそうです。
  • 外部勢力・その他のキャラクター:
    • 赤髪海賊団(シャンクス):四皇“赤髪のシャンクス”率いる海賊団。エルバフ近海にシャンクスが滞在していたことが確認されており、彼は自身の傘下海賊達と共にキッド海賊団を迎撃しました 。シャンクスはその後、ドリー&ブロギーら巨人達と共にキッドを撃破し、ロードポーネグリフの写しも奪取しています(キッドがホールケーキアイランドから盗んだ最後の写し) 。現在シャンクスはエルバフ本島にいるか不明ですが、ルフィの憧れの人である彼が物語に絡む可能性は大です。ロキもシャンクスと面識があるらしく、第1130話ではロキが「シャンクスについてすべて話す」とルフィに取引を持ちかけています 。この背景には、シャンクスがエルバフに残した何らかの言葉や行動があるのかもしれません。
    • 黒ひげ海賊団(マーシャル・D・ティーチ):四皇“黒ひげ”ティーチ率いる海賊団も、エルバフ周辺で暗躍しています。ジャンプフェスタのメッセージ解析によれば、黒ひげの部下の一部(ラフィットやカタリーナ・デボン)が既にエッグヘッド近海に姿を見せており、ティーチ自身も次なる動きを見せる兆候があります 。また**黒ひげ海賊団の巨漢船長(サンファン・ウルフなど)**もエルバフ周辺に潜んでいるとされ、何かを狙っている模様です 。黒ひげの野望は「世界そのものを手中にする」ことであり、かつて“世界の王”を目指したロックスとの関連性も示唆されています 。エルバフ編で黒ひげ勢が狙う“アレ”がロードポーネグリフなのか、あるいは別の何かなのかも注目です。
    • ロックス・D・ジーベック:今から約38年前にゴッドバレー事件で敗北した伝説の海賊 “ロックス”。エルバフ編では、なんとロックスの若き日が回想シーンに登場し、大きな話題を呼んでいます 。ロックスは当時シキや白ひげなど後の伝説級海賊達を従えており、今週のストーリーでは彼が黒ひげティーチの父親であることが明かされるという衝撃の展開もありました 。詳しくは後述しますが、ロックスはエルバフに縁があり、若きロキに接触していたことが判明しています 。ロックスの存在は、現代の黒ひげや世界政府の暗部と深く関わるため、エルバフ編の過去篇で彼の真実が描かれることは物語全体に大きな影響を与えています。
    • 世界政府・五老星/聖地側:エルバフは世界最強と恐れられる国ゆえ、世界政府側も動向を警戒しています。エッグヘッド編では五老星の一人・ジェイガルシア・サターン聖が出張りましたが、「エルバフと正面衝突する危険」を示唆するような忠告をしていたことが示唆されています(※SBS情報) 。現在エルバフには政府の直接介入はありませんが、オハラの本が集まっていることや麦わらの一味・巨人族の動向次第では、“神の騎士団”など世界政府の戦力が投入される可能性もあります。なお、ロキは幼少期に世界政府から「神の騎士」に勧誘されたが拒否したという情報もあり(SBSより)、それゆえに彼には政府から26億ベリーもの“特別懸賞金”が懸けられているとも噂されています 。世界政府にとってもエルバフは無視できない要衝であることは間違いありません。

以上がエルバフ編に登場する主なキャラクター・勢力です。では、次に実際のストーリー展開を振り返ってみましょう。

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エルバフ編これまでのストーリー展開(第1156話まで)

エッグヘッド脱出とエルバフ到着

激闘のエッグヘッド編を経て、ルフィ達はDr.ベガパンクと共に海軍の包囲網を突破し、新たな航路を進み始めました 。目的地としてベガパンクの口から告げられたのが、かねてよりルフィとウソップが行きたがっていた**「エルバフ」です 。一味は歓喜しつつも、世界政府の追手を警戒しながらエルバフを目指しました。途中、エッグヘッドとエルバフの間の海域には不思議な催眠霧が発生するゾーンがあり、一時的に船員が眠り込んでしまうトラブルも発生します (※ロキが仕掛けた罠とも言われています)。さらに旅の途中で“神の国”と呼ばれる謎の島(かつてのゴッドバレー?)に迷い込むハプニングがあり、ゾロやナミ達数名が巨大生物に襲われて行方不明になる事件も起きました 。しかしそれも一時のこと、ルフィ達は無事に仲間を取り戻し、ついに新世界の巨木そびえる島・エルバフ本島**へと辿り着きます 。

エルバフの海岸では、新巨兵海賊団のハイルディンら巨人族の若者達が麦わらの一味を出迎えました。彼らはドレスローザでウソップに恩義を感じており「ダチ(仲間)として歓迎する!」と声高に宣言します。ウソップは憧れの巨人の土地に大興奮し、ナミやチョッパーも大きな動物や植物に驚きつつ島に上陸しました。島内では**“冬至祭”**のような巨人族の祭りの準備が進んでおり、大きな焚火や酒樽があちこちに見られます。ルフィ達は巨人族の村でしばし歓待を受け、美味しいエルバフの酒や肉を堪能しました。ルフィは「おれ達ずっと来たかったんだ!エルバフ最高!」と笑顔を見せ、巨人達も豪快に笑い返します。しばしの平和なひととき、しかしこの静けさは嵐の前の束の間に過ぎませんでした…。

巨人の国での出会い:ロキとの邂逅とサウロとの再会

エルバフ上陸後、物語はいくつかのグループに分かれて進行しました。ルフィと数名の仲間(ゾロ、サンジ、カリブーなど)は偶然島の地下「冥界」に落ちてしまい、暗闇の中で巨大な鎖に繋がれた謎の巨人と遭遇します。彼こそがエルバフの王子ロキでした 。一方、**ロビンやウソップ、フランキー達はサウロが管理する「フクロウの図書館」**へ案内され、オハラから運び出された大量の書物と対面します 。ここでロビンはサウロとの劇的な再会を果たし、22年間胸に秘めていた想いを涙と共に伝えました 。「生きていてくれて本当に良かった!」と泣きじゃくるロビンに、サウロは「ようやく会えたなァ…ロビン」と優しく語りかけ、読者も思わずもらい泣きする名シーンとなりました 。

ロビン達はサウロから**「オハラの遺産を守るために自分が生き延び、巨人族に協力してもらった」経緯を聞きます。巨人族はオハラの本を読み解くために研究施設を設け、ベガパンク亡き後(エッグヘッドでベガパンク本体は一度死亡したと報じられています )も、彼のクローン脳(PUNKレコード)を活用してエルバフに研究所を新設する計画が進んでいました 。フランキーやナミは巨人族の高度な知識と技術力(巨人族にも優秀な学者や技術者が存在する)に驚嘆し、「世界で一番大きな図書館」がここにある**ことに感激します。今後このエルバフの知の集積が、空白の100年や古代兵器に関する重大なヒントをもたらす可能性があります。

一方その頃、地下の冥界でロキと対峙したルフィは、鎖につながれた大男に一瞬警戒するも、持ち前の人懐っこさで「お前がロキか!ずっと会ってみたかった!」と話しかけました。ロキは驚きつつも、自分を恐れず接するルフィに興味を示します 。彼はルフィが“Dの一族”であることにも気付き、「お前…シャンクスに憧れてるんだってな?」と切り出しました 。ルフィが「シャンクスを知ってるのか!?」と食いつくと、ロキはニヤリと笑い「全部教えてやってもいい。だがこの鎖を外せ」と持ちかけます 。シャンクスに関する情報と引き換えに自分を解放させようという取引です。ルフィは一瞬悩みますが、「鎖に繋がれた囚人なんて放っておけねェ!」と快諾しました 。ゾロ達は「待てルフィ、そいつは極悪人かもしれん」と止めますが、ルフィはロキを信じると言い張ります。結果、ロキの鎖は解かれ、彼は長年閉じ込められていた地下牢から自由の身となりました。

ロキは薄暗い冥界から地上の光の下に出ると、太陽に目を細め「空気がうめェ…」と呟きました。巨人達の間ではロキは極悪人扱いされていますが、その表情はどこか憑き物が落ちたようにも見えます。「恩に着るぞ、麦わらのルフィ」と礼を述べるロキに、ルフィは「約束だぞ!シャンクスのこと教えてくれ!」と身を乗り出します。ロキは頷き、「ああ、教えてやるとも…ただし順を追って話させろ」と語り始めました。ここから、**エルバフ編最大の鍵となる「ロキの過去編」**が幕を開けたのです。

エルバフ過去編 – ロキの悲劇とロックス海賊団の真実

物語は63年前に遡り、エルバフで起きたロキの出生と幼少期の悲劇が描かれました。巨大な宝樹アダムの麓に位置するエルバフの陽の当たらぬ谷底――そこがロキの産声を上げた場所でした。ロキが誕生したその日、エルバフでは未曽有の天変地異が相次ぎます。突然の火災、突風、未曾有の寒波、そして作物が実らない大飢饉… 。迷信深い者達は「呪われた子が生まれた」と噂し始め、ロキの母エストリッダも正気を失って赤子のロキを冥界の淵に投げ捨てるという狂気の沙汰に及びました 。奇跡的にロキは命を拾い上げられましたが、母から愛されることなく育ち、周囲からは「呪いの王子」と陰口を叩かれる孤独な幼少期を送ります 。

父ハラルド王は国難の対応に追われ留守がちで、代わりにロキの世話をしたのは母方の叔父である摂政でした。しかしこの摂政もロキを忌み嫌い、虐待まがいの仕打ちを繰り返します 。幼いロキはわずか数ヶ月で「愛を諦め」ざるを得ず、心を閉ざしてしまいました 。それでも生来の生命力と強靭さで成長したロキは、冥界に棲む猛獣達すら手懐けるほどの荒々しい少年へと育ちます 。しかしその心の闇は深く、地上に出ては人々を脅かし、自らも冥界に飛び降りて「死ねもしねェ」と涙を流すなど、痛ましい姿が描かれました 。ロキは愛に飢え、周囲からも恐れられ孤立する、まさに“呪われた王子”だったのです。

そんな絶望の淵にいたロキ少年の前に、ある日一人の海賊が現れました。それが若き ロックス・D・ジーベック です 。当時のロックスは無名ながら異様なカリスマを放つ男で、彼にはすでに幹部格として金獅子のシキや若き白ひげ(エドワード・ニューゲート)、さらに後にミス・バッキン(ウィーブルの母)となる美女や謎の科学者までもが従っていました 。ロックスはロキに「お前は本当に呪われているのか?」と問いかけ、ロキが戸惑うとニヤリと笑って「ならば証明してみろ、自分の意志で運命を変えてみせろ」と焚き付けます。その言葉にロキの瞳には一筋の光が灯りました 。ロックスは「いつか世界を獲るつもりだ」と壮大な野望を語り、ロキに「お前も強くなれ」と言い残して一度姿を消します 。

ロックスがエルバフを再訪れたのは、ロキとの出会いから数年後のことでした。その間、ロキはひたすら力を求め、冥界の底で怪物達と鍛錬を積みます。一方、世界ではロックスの名が徐々に轟き始めていました。彼は各地で暴れ、聖地マリージョアにまで侵入して五人の王を人質に取り、ついには“世界の王”イム様と対峙したとも言われています (※このあたりは劇中でも伝聞調ですが、ロックスの大胆不敵さが窺える逸話です)。ロックスは聖地で「またここに戻って来る。世界をひっくり返してやる」と高らかに宣言し、レヴェリー(世界会議)を大混乱に陥れました 。この事件にはエルバフから参加していたハラルド王も居合わせ、ロックスと刃を交えたとされています 。

やがてロックスは海賊島ハチノスを根城に本格的に勢力を拡大し始めます。デービーバックファイトという遊戯を利用しては強者を仲間に引き入れ、海軍の船を襲撃して天上金を強奪、ついには世界政府の門(正義の門)すら破壊してみせました 。こうして悪名を高めたロックスは再びエルバフに現れ、ハラルド王に「仲間になれ」と勧誘します。しかし誇り高きハラルドはこれを断固拒否しました 。ロックスは不敵に笑い「世界を獲る」とだけ告げ去りましたが、その言葉を聞いた幼いロキの心には希望の光が宿ったように描写されています 。自らを呪われた存在と信じていたロキにとって、「世界を変える」というロックスの野望は救いに映ったのでしょう。

そしてロックスが初めてロキに接触してから約4年後、時は動きます。ハラルド王はその間もロックスからの誘いを何度も拒み続けました。しかしロックスは諦めず、ついにある大事件を引き起こします。詳細はまだ描かれていませんが、ロックスは自身の名前を冠した**「ロックス海賊団」**を正式に結成し、巨大なドクロの海賊旗を掲げたのです 。ここでエルバフ過去編・前半は幕を閉じ、第1155話時点では「ロックス海賊団、結成!」という衝撃的な引きで終わりました。

過去編の後半では、このロックス海賊団の猛威とロキの運命がさらに明かされます。すでにロキは成長する過程で、伝説の悪魔の実を求めてハラルド王(実の父)を手にかけてしまったことが語られており 、その罪によって巨人族から永久に幽閉される身となったわけです。ロキが狙った“伝説の悪魔の実”とは何なのか?現在推測されるところでは「世界を統べるのに必要な2つの伝説の悪魔の実の1つ」だと言われています(劇中でロックスまたは黒ひげが言及) 。もう1つの伝説の実と合わせ、“世界の王”になる条件だとか…。もしかするとロックスはその実をエルバフで手に入れるためロキを唆したのかもしれません。

ちなみに、ロキは世界政府の「神の騎士団」入りを打診されていたものの断った過去が判明しています 。彼ほどの強者を取り込もうとした政府の思惑を拒絶したことで、ロキには政府非公認の莫大な懸賞金(26億ベリー)が科せられました(世界政府に仇なす「世界の敵」と見なされたため)とも伝えられています 。ロキは決して生まれつき邪悪だったわけではなく、自身の境遇と世界の理不尽さに反逆した結果、このような道を歩んでしまったと言えるでしょう。現在のロキ本人も、「政府の犬になる気はない」と明言しており 、ルフィ達とは利害が一致する部分もありそうです。

現在の状況と1156話チョイ見せ情報

過去編を経て物語は再び現在へと戻りつつあります。1155話まででロキの過去とロックスの背景がかなり描かれましたが、未だ全貌は見えていません。1156話の展開予想では、引き続きロックス海賊団の台頭や、巨人族と世界政府の確執が描かれると見られます 。また、1156話の公式チョイ見せ(先行画像)では、なんと**九蛇海賊団(ボア・ハンコック率いる女ヶ島の海賊)**が登場していることが確認されました 。美しき海賊女帝ハンコックが久々に姿を現すということは、エッグヘッド事件後の世界各地の動向も描かれていく兆候でしょう。ハンコックは以前黒ひげに襲撃された後レイリーの仲裁で難を逃れており、彼女の登場が物語にどう関わるか注目です。

一方、エルバフではルフィとロキの会話が大詰めを迎えているはずです。ロキは解放してくれた礼として、シャンクスに関する秘密をルフィに語る約束をしています 。シャンクスとエルバフの間にどんな因縁があるのか、ファンの想像は尽きません。考えられるのは、**シャンクスがエルバフに残した“何か”**についてでしょう。例えばロードポーネグリフの写しを誰に託したか、あるいは彼の出自(シャンクスは実は天竜人の血筋=フィガーランド家出身との噂もあります)にまつわる話かもしれません。ロキが知り得るシャンクス情報としては、シャンクスが巨人族と交わした約束や、過去にエルバフを訪れた目的などが考えられます。ルフィは師とも言える存在の秘密を知り、更なる成長に繋がるのかもしれません。

また、サウロとロビンの今後も気になるところです。サウロ率いるエルバフの学者団はオハラの本を解析中であり、その中にはおそらく「歴史の本文(ポーネグリフ)」に関する手掛かりや古代文字の解読も含まれるでしょう。実際、エルバフにはロードポーネグリフそのものが存在する可能性が指摘されています 。かつて巨人族の英雄達(ドリー&ブロギー)がラフテルに至っていないことから、エルバフにポーネグリフがあっても不思議ではありません。第1156話以降で、その在りかが判明しルフィ達が最後のロードポーネグリフを入手する展開も十分考えられます。

最後に、エルバフ編の現時点での勢力図を整理すると、麦わらの一味+巨人族 vs 黒ひげ勢 or 世界政府という図式が浮かび上がります。シャンクスは一時的にエルバフを訪れていましたが今は不在(次の動きは不明)、代わりに黒ひげが不穏な影を落としている状況です 。1156話時点ではまだ直接的な戦闘は起きていませんが、間もなくエルバフの地に各勢力が集結し、何かしらの火花が散ることは避けられないでしょう。

今後の展開予想と考察 – ロードポーネグリフ争奪戦と最終章への布石

エルバフ編はワンピース終盤のクライマックスへ向けて、物語上の最大級のターニングポイントになる可能性があります。ここからは、現在判明している情報をもとに今後の展開を考察してみます(※あくまで予想です)。

  • ① 最後のロードポーネグリフの行方:尾田先生が示唆した「“アレ”の奪い合い」の“アレ”とは、十中八九ロードポーネグリフの写し(または本体)でしょう 。現在、麦わらの一味はゾウ・ホールケーキ・ワノ国の3枚を所持し、残る1枚の所在が不明です。エルバフ編でこの最後の石が登場するとすれば、エルバフ国内に眠っているか、もしくは“火ノ傷の男”が関与しているかもしれません 。火ノ傷の男の正体については諸説ありますが、有力候補の一人がサウロでした。しかしサウロが持っている様子は今のところなく、となるとスコッパー・ギャバン(ロジャー海賊団の元メンバー)やシャンクスが関わる可能性も。実際、エルバフにはギャバンらしき人物が隠遁している描写もあり(とある巨人鍛冶屋の家に“ギャバン”の名が確認されています)、彼が最後の石の鍵を握るのではと期待されています 。いずれにせよ、エルバフ編の間にロードポーネグリフ争奪戦が勃発し、麦わらの一味VS他勢力のぶつかり合いは避けられないでしょう。
  • ② “あいつとあいつの戦い”の行方:ジャンプフェスタのメッセージで尾田先生は「あいつとあいつの戦いは意外な結果になるかも」と綴っていました 。この「あいつとあいつ」が誰を指すか議論されましたが、有力なのはシャンクスVS黒ひげ、もしくは黒ひげVSルフィです 。エルバフにはシャンクスと黒ひげ勢が近くにいる設定ですから 、ここで四皇同士の直接対決が起こる可能性もあります。もしシャンクス対黒ひげが実現すれば、ファンが最も恐れる**「シャンクス死亡」の展開も現実味を帯びます(黒ひげの懸賞金目標は「シャンクス超え」とも言われ 、宿命の対決と見られているため)。他方、ルフィvs黒ひげは最終盤の大一番でしょうから、ここではまだ実現せずシャンクスが一時的に黒ひげを食い止める展開も考えられます。「意外な結果」**という言葉が示す通り、予想外の勝敗・同盟・乱入劇など波乱が起きるかもしれません。
  • ③ 巨人族と世界政府の衝突:エルバフは政府非加盟ゆえ、世界政府からすれば抑え込んでおきたい脅威です。五老星サターン聖も「エルバフと事を構えるのは避けたい」というニュアンスの忠告をしていたとされ 、政府は慎重でした。しかし今、エルバフに麦わらの一味やオハラの書物が集まり、“Dの一族”の巨人ロキも解放されたとなれば、座視はしないでしょう。聖地マリージョア直属の“神の騎士団”(長はフィガーランド・ガーリング聖)や海軍本部の戦力がエルバフに派遣される可能性があります。特にイム様にとって、空白の100年の史実が暴かれることは絶対避けたいはずです。最悪、エルバフごと“消し去る”ために古代兵器ウラヌスのような手段を講じる懸念すらあります(ルルシア王国を消滅させた謎の光の兵器がイムの手中にあるため)。“オハラの悲劇の再来”を阻止するためにも、ルフィ達と巨人族は手を組み、エルバフ防衛戦を繰り広げることになるかもしれません。
  • ④ ウソップの覚醒と巨人族の援軍:エルバフ編はウソップにとっての集大成の場とも言えます。彼は幼い頃からついた嘘(「エルバフに行った」「8000人の部下がいる」「巨大金魚を倒した」等)が次々と現実になる不思議な運命にあります。エルバフで**勇者“そげキング”として8000人(実際は巨人達)の部下を率いる展開や、ウソップがかつて語った巨人族の神話的存在に実際に対峙する展開も考えられます。SNS上でも「ウソップがエルバフの存亡を懸けた戦いで覚醒し、見聞色の覇気を開花させるのでは?」という予想が多く見られます 。父ヤソップ譲りの高い狙撃能力と見聞色をここで完全に習得すれば、ウソップは名実ともに“勇敢なる海の戦士”となるでしょう。巨人族との信頼関係も深まれば、彼ら巨兵海賊団(新巨兵も旧巨兵も含む)**が麦わら大船団として最終決戦に駆けつける布石にもなります。ドレスローザで結成された大船団の約束(「いつか史上最大の一戦が起きる」)が近づいている今、エルバフで巨人族を完全に味方につける意味は極めて大きいです。
  • ⑤ 古代兵器ウラヌスと歴史の真実:前述の通り、エルバフではオハラの残した書物が解析されています。それらから**“Dの一族”の真実やジョイボーイと古代王国の歴史が判明する可能性は大です。実際、第111巻SBSではジョイボーイに関する情報として「イムとのただならぬ因縁がある」「ルフィと瓜二つの存在」などが示唆されました 。ロビン達はサウロ達と協力し、数百年前の歴史の断片をつなぎ合わせるでしょう。その中で唯一情報の少ない古代兵器ウラヌスについても手掛かりが出るかもしれません 。仮にウラヌスがエルバフに関係するなら、例えばエルバフの守護神そのものがウラヌスだったり、巨人族が鍵を握っていたりするかもしれません 。いずれにせよ、エルバフ編は物語の核心(ひとつなぎの大秘宝や世界政府の秘密)**にグッと踏み込む章となるでしょう。
  • ⑥ ベガパンクの技術と巨大樹エルバフ:エッグヘッドから命からがら逃げ延びたベガパンク(の生存はクローン頼み?)ですが、エルバフに新研究所を作る計画があるようです 。巨大樹アダムの一部やエルバフの資源を活用し、ベガパンク復活や新兵器開発が行われる可能性があります。例えば、ベガパンクが遺した“マザーフレイム”(空から島を焼き払った兵器)の解析や、巨大ロボットの再始動など、技術面でのサプライズも期待されます。フランキーもかつてバルジモアでベガパンクの研究を引き継いだ技術者ですから、彼と巨人族技術者が組めば強力な発明が生まれるかもしれません。エルバフの古代施設(かつての月の民の遺跡という説も)も存在が示唆され 、科学と歴史が交錯する舞台ともなりそうです。

以上、今後の展開について幾つか予想しました。もちろんワンピースは常に読者の斜め上を行く展開を見せるので、「意外な結果」も大いにあり得ます。しかし、エルバフ編で描かれる要素が最終章への重要な布石になることは間違いないでしょう。巨人族との絆、ロードポーネグリフの入手、シャンクスや黒ひげとの因縁、歴史の真実――どれを取っても物語のゴールに直結するピースばかりです。

おわりに – エルバフ編の魅力とまとめ

エルバフ編は、長年ワンピースを追い続けてきたファンにとって待望の“夢の島”であり、物語の核心に迫る超重要エピソードとなっています。巨人族の勇壮な文化描写や、ロビンとサウロの再会に涙し、ロキの悲劇に胸を痛め、ロックスの秘密に驚愕する…感情のジェットコースターのような展開が続いています。公式情報に裏打ちされた設定や、SBS・インタビューで明かされた裏話(例えばロキのビジュアルや懸賞金)もふんだんに盛り込まれ、ファンサイトやSNSでの考察もますます盛り上がっています。

本記事では事実ベースでエルバフ編の内容を整理しつつ、一部妄想も交えて今後を展望しました。現時点(1156話まで)で判明したポイントをまとめると:

  • エルバフは世界最強の巨人国家であり、麦わらの一味はついにそこへ到達した 。
  • 王子ロキの悲劇的な過去が詳細に描かれ、巨人族の歴史とロックス海賊団の関係が浮かび上がった。
  • ロキは父殺しの罪で幽閉されていたがルフィにより解放され、今後の鍵を握る人物となった 。
  • ロックス・D・ジーベックが若きロキに接触し、エルバフと世界を揺るがす陰謀を巡らせていたことが明らかに 。
  • ニコ・ロビンがサウロと再会し、オハラの意志を継ぐエルバフの知識ネットワークが存在する 。
  • 赤髪・黒ひげ・世界政府といった外部勢力がエルバフを巡って集結しつつあり、ロードポーネグリフ争奪戦が目前に迫っている 。
  • 尾田先生も「アレの奪い合い」「あいつとあいつの戦い」に言及しており、今後の展開から目が離せない 。

エルバフ編は情報量も多く非常に濃密ですが、その分長期保存版の総集編コンテンツとして振り返る価値があります。本記事が、皆さんの考察のお役に立てば幸いです。これからクライマックスに向けてさらに盛り上がるであろうワンピース。巨人の国エルバフで一体何が起こるのか、そしてルフィ達は“ひとつなぎの大秘宝”にどこまで近づくのか――引き続き目が離せませんね!世界中の考察好きファンと共に、熱く見守っていきましょう。

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